収監者を対等交換した米国・ロシア…ウクライナ終戦信号弾になるか

米国とロシアが収監者を対等交換し、ウクライナ終戦議論にも進展があるのではないかという観測が出ている。 12日(現地時間)、クレムリン宮(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は米国の監獄に収監されているロシア人1人を解放する条件で米国人教師マーク・フォーゲル氏を解放したと明らかにした。 ペスコフ報道官は「解放されたロシア人は数日内に家に戻るだろう」としながら「ロシアの国境を越えてくるまでは名前を明らかにすることはできない」と話した。続いて「今回の収監者交換が米国との信頼構築に役立つ場合がある」と付け加えた。 これに先立ち、フォーゲル氏は11日、スティーブ・ウィトコフ中東特使とともに米国に帰還した。トランプ大統領はホワイトハウスでフォーゲル氏と会って「ウクライナ戦争を終わらせて、数百万人の人々が死なないで済むような関係の始まりになるよう願っている」と話した。 在ロシア米国大使館の職員だったフォーゲル氏は2021年麻薬所持容疑で逮捕された。フォーゲル氏は医療用として処方されたものだと主張したが14年刑を宣告されて服役中だった。 今回の交渉でガザ停戦交渉にも参加したウィトコフ特使の役割が大きかったとニューヨーク・タイムズ(NYT)などが伝えた。NYTは複数の消息筋を通じて「トランプ大統領は数週間前、ロシアとの交渉チャンネルを開くための権限をウィトコフ特使に秘密裏に付与した」と伝えた。ワシントン・ポスト(WP)によると、ウィトコフ特使は収監者釈放を議論するためにロシアのウラジーミル・プーチン大統領とも約3時間30分にわたり会談した。 ウィトコフ特使がロシアとウクライナの終戦交渉議論にも参加するだろうという観測が出ている。NYTはウィトコフ特使は訪ロ前にプーチン大統領の側近に会ってウクライナ問題を直接議論したと報じた。 ただし、ペスコフ報道官は収監者の解放は「非常に細心な交渉作業」の結果だったとし「今回の合意が突破口になるというわけにはいかないが、少しずつ相互信頼を築いている段階」として線を引いた。

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