「あなたの口座に詐欺被害金が振り込まれている」警察など名乗りうそのLINE…2700万円詐欺被害

警察を名乗る男から「広域詐欺グループへの関与」が疑われていると脅されるなどして、指示に従うまま現金を振り込んだ鳥取県米子市の60代の女性が、2700万円の特殊詐欺被害にあったことが分かり、鳥取県警が捜査するとともに同様の被害にあわないよう注意を呼び掛けています。 被害にあったのは、米子在住の60代の女性です。1月7日に女性宅の「固定電話」に総務省を名乗る男から電話があり、女性名義の携帯電話から「迷惑メールが発信されている」と言われたということです。 女性が心当たりがないことを伝えると、今度は転送された電話で渋谷警察署を名乗る男から「広域詐欺グループの幹部を捕まえており、所持品の中にあなたのキャッシングカードがあった。あなたの口座にも多額の被害金が振り込まれているようだ」と言われたということです。 そして「捜査は秘匿で誰にも相談しないよう」伝えられ、ラインでのやり取りに変わり、警察手帳のようなものの画像が送られてきたことから男らを信用してしまったということです。 さらに「あなたに広域詐欺の逮捕状が出ている」、「あなたの口座に詐欺の被害金が振り込まれている可能性があり、捜査に協力してほしい」などと求められたとしています。 そして「口座に入っている紙幣の記番号と被害者の記番号が一致するかを調査する必要がある」として、指定した口座にお金を振り込むよう要求されました。 女性は言われるまま、1月16日から24日までの間に6回振り込み手続きをして、あわせて2700万円を振り込みました。 この間に、女性にはLINEで「銀行口座凍結決定書」が送られ、心理的に追い込むような手口も使われていたほか、東京地検の検察官を名乗る男も登場させ、被害者をさらに信じ込ませようとする様子がうかがえます。 女性は後日、新聞で警察官を名乗る詐欺の手口の記事を見つけたことから警察に相談した結果、被害に気づきました。 警察は改めて、「警察や検察を名乗る、あなたが犯罪に関わっているなどという電話は詐欺」で、「捜査のために送金するよう求めることはない」などとして被害防止を呼びかけています。

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