青森県八戸市の「みちのく記念病院」の元院長らが逮捕された入院患者間殺人の隠蔽事件で、病院側が県警の捜査前に現場の病室を片付けていたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。県警は元院長らが事件の発覚を免れるため、指示した可能性もあるとみて捜査している。 犯人隠避容疑で逮捕されたのは、当時の病院長で、病院を運営する医療法人「杏林会」理事長の石山隆容疑者(61)と、殺害された男性の主治医で、弟の哲容疑者(60)。2人が容疑を否認していることも判明した。 殺人事件の判決によると、男は2023年3月12日深夜、同室の男性の顔を歯ブラシで何度も刺した。男性は翌13日午前に死亡。病院は組織として通報せず、県警には内部の関係者から連絡があった。 捜査関係者らによると、県警が現場の病室を初めて確認した際、既に室内は片付けられていた。男の公判では、病院関係者が血の付いた歯ブラシをポリ袋に入れたという、看護師の供述が明らかになっている。