看護師ら凶器の歯ブラシなど片付けか 犯人隠避事件 県と市が検査へ

「みちのく記念病院」(青森県八戸市)で起きた入院患者による殺人を元院長らが隠したとされる犯人隠避事件で、青森県警が殺人の捜査で立ち入る前に、病院側が現場を片付けていたことが17日、県警への取材でわかった。県警は、元院長らが殺人の発覚を免れようと指示した可能性があるとみて調べている。 殺人事件が起きたのは、2023年3月12日夜。県警によると、発生後に凶器の歯ブラシを片付けるなど、看護師らが現場の療養病棟の室内を整理していたという。事件当時、院長だった石山隆容疑者(61)と、殺害された男性の主治医石山哲容疑者(60)=ともに犯人隠避容疑で逮捕=の兄弟は、病院を不在にしていたという。 この事件では、入院患者だった男(59)=殺人罪で服役中=が、同じ病室の高橋生悦(せいえつ)さん(当時73)の目を歯ブラシの柄で突き刺し、高橋さんは翌日に死亡が確認された。 両容疑者の逮捕容疑は、高橋さんの死因を「肺炎」とする虚偽の死亡診断書を作成し、遺族に渡して殺人事件を隠蔽(いんぺい)したというもの。 今回の事件を受けて、青森県の宮下宗一郎知事は17日、県と八戸市が連携して今後、同病院に立ち入り検査する方針を明らかにした。宮下氏は同市で記者団に「過去に同様のことがなかったか、組織的に対応していなかったか、などは論点になる」と述べた。(渡部耕平、江湖良二)

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