90年代に衝撃をもたらした野島伸司氏脚本のドラマ『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』(TBS系)を覚えているだろうか。放送は1994年で、いじめ、体罰、殺人という重い題材に真正面から挑んだ作品だ。 野島氏の作品は重い物語が多かったが、同作もその一つ。KinKi Kidsの共演は話題を集めたものの、内容が過激だとクレームが入るほど評価は厳しかった。だが、そんな声に反して視聴率は上がり、最終回では瞬間最高視聴率28.9%を記録している。 90年代には『ぼくらの勇気 未満都市』、『若葉のころ』など、KinKi Kidsの2人が出演した貴重な名作があるが、同作も2人の歴史を振り返るうえで欠かせないドラマのひとつだ。あまりにも辛いストーリーで鬱々とした雰囲気が全編を覆うものの、考えさせられる点が多いのも見どころだろう。 ただ、残念ながら現在では、ほとんど再放送されない「視聴困難」な作品となってしまっている。今回は、そんな『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』を振り返る。 ※本記事は作品の内容を含みます