尹錫悦氏の戒厳宣布「正当化できず」憲法裁、全員一致で罷免判断 大統領選は6月3日か

【ソウル=石川有紀】「非常戒厳」を違法に宣布したなどとして弾劾訴追された韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に4日午前、罷免を認める決定が言い渡された。憲法裁判所は当時の政治情勢などに照らして戒厳宣布は「正当化できない」と判断。裁判官8人の全員一致の意見だった。 尹氏は失職し、憲法の規定に基づき60日以内に次期大統領選が行われる。韓国メディアは、6月3日の投開票が有力だと報じている。 弾劾審判では、戒厳宣布に重大な違憲・違法性があったかどうかが主な争点となった。弾劾訴追した国会側は、憲法が戒厳宣布の要件に定める「戦時またはこれに準ずる国家非常事態」は存在しなかったと指摘。尹氏が国会に軍を投入して戒厳解除決議を違法に妨害し、与野党幹部などの拘束も指示したと訴えた。 これに対し、尹氏側は国会で多数を占める野党が閣僚らの弾劾訴追を連発していたと主張した上で、戒厳宣布は「野党の暴挙を国民に知らせる『警告』」にとどまったと反論。違法な権限行使はなかったと反論した。 尹氏本人は審判に出廷しなかった。憲法裁周辺には4日朝、弾劾賛成派、反対派の両陣営の支持者らが集結した。警察当局はソウル市内に機動隊1万4000人を投入。憲法裁の半径150メートルの範囲にバス200台以上を並べて立ち入りを制限し不測の事態に備えた。 尹氏は昨年12月3日夜、戒厳を宣布し、軍を国会などに投入。翌4日未明に国会が戒厳解除要求決議を可決し、戒厳は約6時間で解除された。国会は同14日、大統領の弾劾訴追案を可決し尹氏の職務が停止された。 戒厳宣布を巡って尹氏は刑事責任も問われ、今年1月、内乱首謀罪で逮捕、起訴された。その後勾留が取り消され、身柄は釈放された。初公判は4月14日に開かれる。

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