川崎遺体遺棄事件 ストーカー行為に至る人間性とは・・専門家が分析

川崎市の住宅から行方不明になっていた女性の遺体が見つかり、元交際相手の男が逮捕された事件。臨床心理学の専門家はストーカー行為の背景に道徳性の問題や自己中心的な性格があると分析しました。 この事件は先月30日、川崎市川崎区の住宅の床下収納から岡崎彩咲陽さんの遺体が見つかり、元交際相手の白井秀征容疑者が死体遺棄の疑いで逮捕されたものです。 岡崎さんは去年6月以降、白井容疑者による脅迫や待ち伏せなどの被害を訴えていて、12月以降は「家の周りをうろつかれた」「パトロールしてほしい」などとあわせて9回県警に通報していました。 このストーカー行為について白井容疑者を知る岡崎さんの知人も、 「執着もすごいし本当に執念深いしそこから彩咲陽ちゃんがもう無理ってなって周りの人ももう関わるなって言ってて関わらないってなってたんですけど」 臨床心理学を専門とする神奈川大学の杉山崇教授は、ストーカー行為をする背景には「道徳性の欠如」と「自己中心的な考え」があると指摘しました。 杉山崇教授 「自分の自由になるのが当たり前だと思っているので、脅したり暴力的になったりすることが自分の中で正当化されてしまっている」 杉山教授によりますと、一般的にストーカー行為をする人は交際相手や配偶者を自分の所有物だと認識し、思い通りにいかないことを悪だと考える傾向があるといいます。 そのうえで、白井容疑者も一方的に岡崎さんから「裏切られた」と感じ、暴力や脅迫、ストーカーなど道徳に反する行動につながった可能性があるとしました。 杉山教授は悲惨なストーカー被害を生み出さないためには警察の介入が欠かせないとしたうえで、身近な人から心の危うさを感じたら「とにかく話を聞いてほしい」と訴えました。 杉山崇教授 「聞いてもらって語らせてもらえると感情はだいぶ軽くなっていく。 誰かが共感してくれると私たちは気が楽になるようにつくられている。 そうやって行動に移させないように」 県警は、岡崎さんの死亡の経緯についても白井容疑者への調べを進めるとともに、事件への対応が適切だったのかを検証するチームを立ち上げています。

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