朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)に阪神支局襲撃事件の犯行声明を引用した文書を贈るなどしたとして、兵庫県警は3日、静岡県富士市の会社員、武藤和宏容疑者(38)を脅迫と威力業務妨害の疑いで逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。 公安2課によると、武藤容疑者は今年5月3日、富士市内から「令和赤報隊代表」を名乗って阪神支局襲撃事件(1987年)の犯行声明を引用した文書などが入った段ボールを朝日新聞阪神支局に発送するなどした疑いがある。 朝日新聞阪神支局では87年5月3日、目出し帽をかぶった男が侵入して散弾銃を発砲。小尻知博記者(当時29)が死亡し、犬飼兵衛記者(当時42、2018年死去)が重傷を負った。「赤報隊」を名乗る犯行声明文には「すべての朝日社員に死刑を言いわたす」と記されていた。事件は未解決で02年に時効を迎えた。 朝日新聞社広報部の話 朝日新聞阪神支局襲撃事件を想起させる宅配物を同支局に送って脅迫することは許しがたい行為と考えます。今後も兵庫県警の捜査に協力していきます。(新屋絵理)