[ワシントン／ハーグ ５日 ロイター] – トランプ米政権は５日、国際刑事裁判所（ＩＣＣ）の判事４人に制裁を科した。ＩＣＣがイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出したことと、過去にアフガニスタンにおける米軍部隊による戦争犯罪の捜査開始を認めたことに対する、前代未聞の報復措置。 ルビオ米国務長官の声明によると、制裁を科したのはウガンダ、ペルー、ベナン、スロベニア出身の各判事。ルビオ氏は、ＩＣＣが「米国、もしくは米国の親しい同盟国であるイスラエルを標的にした違法で根拠のない行為」に関わったと主張した。 ＩＣＣは制裁について、国際司法機関の独立性を損なう試みだと強く批判した。 第１次トランプ政権もアフガニスタンの捜査に絡んでＩＣＣの主任検察官らに制裁を科していた。また米下院は今年１月、ネタニヤフ氏への逮捕状に抗議してＩＣＣに制裁を科す法案を可決し、トランプ氏と同じ共和党の議員がネタニヤフ政権を強く支持していることを印象付けた。 国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の幹部リズ・イベンソン氏は米政権のＩＣＣ制裁について「法の支配に対する言語道断の攻撃だ。トランプ大統領は同時に、国内でも法の支配を損なうために動いている」と非難した。 米国、中国、ロシア、イスラエルはＩＣＣに加盟していない。