犯罪被害の温床にも…SNSと子ども プライバシーの空間に保護者はどう見守り、向き合う?

小学校高学年で半数以上が利用しているといわれる「SNS」ですが、犯罪被害の温床にもなっています。子どもとはいえ、プライバシーの空間でもあるSNSを、保護者はどう見守り、向き合えばよいのでしょうか。 こちらは、本宮市の小学校。この日行われた特別授業の先生は「県警の職員」です。 県警の職員「防犯教室ということで、スマホとかゲームを正しく使えているかなというお話をします」 テーマは「SNSを正しく使う」というもの。ある民間の調べによりますと、いまや、小学校高学年の約6割がSNSを利用していて、中学生にもなれば、9割以上がSNSを利用しているそうです。 ただ、そのSNS。悪い考えを持った大人が利用していることも忘れてはいけません。 SNSをきっかけとした事件は、後を絶ちません。福島市の男が、10代から20代の若者の自殺を手助けしたなどとし、逮捕・起訴された事件もきっかけはSNS。 2017年、神奈川県座間市で自殺を希望する男女9人が男の手によって殺害されたいわゆる「座間事件」も、きっかけはSNSでした。 時がたち、子どもたちにも身近な存在となったSNS。その危険性をどう感じているのでしょうか。 児童「インターネットを正しく使わないと危ないということがわかりました」 児童「友達とインターネットでゲームをしたり、喋ったりしている。知らない人に誘われたりしても断って、それでもしつこい場合は親に伝えるようにしたい」 正しく使えば、便利なSNSですが、ときにその空間は、当人たちだけの「プライバシー」の空間だったりもします。 福島県警察本部 県南少年サポートセンター 堀内千明 さん「保護者や周りの大人が知らないうちに脅されたり、騙されたり、裸の写真や動画を要求されることがあるので」 保護者も、子どものSNSをすべて見守れれば、事件に巻き込まれるのを防げるかもしれません。ただ、そうもいかない難しさがあります。 大学生と社会人の子を持つ母親「個人の問題ですし、思春期になると、親が干渉するのもあんまり良くないじゃないですか。でも放置してると危険な目にも遭うのでそこが難しいですよね」 小学生と未就学児の子を持つ父親「小学校の子どもがいるんですが、秘密ができる年頃になってきたので、その部分はしょうがないんですけど、困ったときに話し相手になってあげられるようにしたいです」 「子どものプライベートにどこまで干渉していいのか…」そんな悩みや葛藤を抱えている保護者も少なくありません。SNS問題に詳しい専門家はこう指摘します。 ITジャーナリスト 高橋暁子 さん「保護者が(やり取りの)中まで見るのは難しい、適切ではないので、実際に子どもが様々なサービスで知り合って被害に遭っているというリスクを適切に伝えるべきだと思います」 大事なのは、SNSの利用を制限するのではなく「使いこなす力」を身に付けることだといいます。専門家は、保護者も管理をするのではなく、SNSの何が危険で、安全か子どもと一緒に学んで欲しいと話します。 ITジャーナリスト 高橋暁子 さん「取り上げるとか、使わないという時代ではないので、適切に使いこなすというのが求められる。使わせるのも守るのも保護者にしかできないので、頑張って勉強して子どもを守ってあげてくださいということですね」

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