松本潤版『金田一少年の事件簿』の最終回 作中屈指の難事件が衝撃的だった

1992年に連載が始まり、シリーズ累計発行部数1億部を誇るミステリーマンガ『金田一少年の事件簿』(原作:天樹征丸、作画:さとうふみや)は、これまで主演を代えながら5度にわたってドラマ化されてきました。特に松本潤さんが主人公「金田一一」を演じた2001年に放送されたドラマでは、原作の人気エピソードを忠実に再現しつつ独自のアレンジを加え、ファンをうならせる最終回を迎えました。 原作屈指の名作とされる「仏蘭西銀貨殺人事件」や「速水玲香誘拐殺人事件」など、連続殺人や密室トリックの数々がドラマでも再現され、そのスリリングな展開に加え、映像ならではの演出が見どころとなっています。 本作は原作で犯人が自ら命を絶つ展開が多かったのに対し、ドラマ版では逮捕劇や救出劇に改変されていました。例えば「黒死蝶殺人事件」では、原作で犯人「小野寺将之」が屋敷に火を放って自殺しますが、ドラマ版(第4話、第5話)では金田一が火のついた屋敷に飛び込み、小野寺を救出する展開に変更されています。 そして本シリーズ最後の事件(第8話、第9話)は「露西亜人形殺人事件」によって物語が締めくられました。本作屈指の難事件といわれるこのエピソードは、有名ミステリー作家「山之内恒聖(演:黒沢年雄)」の遺産相続を巡る暗号解読ゲームの最中、相続人候補が次々と殺されていきます。原作では相続人のひとりに「犬飼高志」が登場しますが、ドラマ版では金田一の後輩「佐木竜太(演:長谷川純)」に置き換えられたうえで、ほぼ原作通りの緻密なトリックが再現されました。 松本潤さん版『金田一』は、前作の堂本剛さん版『金田一』に見られた凄惨な現場描写も健在で、相続人候補「梅園薫(演:片桐はいり)」が生首の状態で発見される(実は生存)という衝撃シーンも登場します。 また、「魔術列車殺人事件」の犯人で金田一の宿敵「高遠遙一(演:藤井尚之)」が本事件にも登場しており、途中まで金田一とともに犯人を突き止めるため、共闘する姿が描かれています。事件解決後、高遠が金田一の前に現れ、「人間の奥底に潜む殺意」を語り合うシーンは、シリーズを締めくくる名場面となりました。 視聴者からは「歴代金田一のなかでNo.1美少年だったかも」「金田一のマヌケな部分少なめだったけど正義感にあふれたキャラで好き」「事件再現のセンスが光ってる」と評判でした。前シリーズを演じた堂本剛さん版よりもおちゃらけ度は少なめでしたが、その分正義感の強いキャラクターとして松本潤さん版の金田一も愛され続けています。

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