ぼったくりに乗じて詐欺か 「他の客がキャンセル」うそで上乗せ請求

飲食店でぼったくり行為をしたうえで、高額な代金を取り立てている間に他の客が予約をキャンセルしたとうそを言って損害賠償名目で現金をだまし取ったとして、警視庁保安課は19日、東京都新宿区河田町、飲食店従業員、鈴木駿太被告(22)ら男性2人を詐欺容疑で再逮捕し、20代の男女4人を同容疑で逮捕したと発表した。ぼったくり行為に伴う詐欺容疑での摘発は異例という。 再逮捕容疑は4月上旬、神奈川県の20代の男性会社員を東京都渋谷区道玄坂1のバーに誘導して飲食代金として31万円を請求。手持ちの不足分を引き出させようと現金自動受払機(ATM)に行く間に「他の予約がキャンセルされた」とうそを言い、損害賠償名目で150万円をだまし取ったなどとしている。 警視庁によると、6人は「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」のメンバーとみられる。グループは2024年9月以降、複数のマッチングアプリで知り合った男性を渋谷のぼったくり店へ連れて行く手口で、障害者を含む61人に計約8600万円を支払わせたとされる。 グループは三つのチームに分かれて行動。57人の女性名義の身分証を所有し、アプリの登録に使っていたとみられる。 鈴木容疑者は今年5月、都ぼったくり防止条例違反の疑いで逮捕され、詐欺罪で起訴されていた。 都内では1~5月、マッチングアプリを通じたぼったくりの相談が178件寄せられ、被害総額は計約2億円に上る。【菅野蘭】

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