江戸時代、当時の松江藩が認めたとされる宍道湖の湖上にある土地の所有権「水代(みずしろ)」。この「水代」を根拠に、現代の世、国の許可なく宍道湖を埋め立てた土地に対し、国が11日、行政代執行で撤去を開始しました。 清水栞太 記者 「先ほど国による行政代執行が始まりました。違法に埋め立てられた宍道湖岸の撤去が行われます」 行政代執行による撤去が始まったのは、松江市玉湯町の宍道湖岸です。 実は、このエリア、およそ50平方メートルは、国の許可を得ずに埋め立てられた土地です。 当時、埋め立てる様子を近所の人が撮影した映像を見ると、ショベルカーを使い、土砂を投入しているのが分かります。 2018年、河川法違反の疑いで70代の男性が逮捕されました。 宍道湖は全国的にも例の少ない『水代』と呼ばれる湖水面上の土地の所有権が認められていて、このエリア、岸から70メートル程は男性が「水代」として所有していた土地でした。 「水代」は江戸時代に当時の松江藩が認めたとされますが、水代であっても、許可なく埋め立てることは法律で禁じられています。 男性は20年以上かけて埋め立てを行っていたということで、30回以上にわたり国が現状回復を求めていましたが、撤去する様子が見られなかったことから、行政代執行の実施となりました。 なお、男性は行政不服審査を請求し現在も裁判が続いていますが、判決が出るまで代執行は止まらないということです。