【読み解く】手口が巧妙化している特殊詐欺 正しい法律知識を身につけて撃退を 詐欺にあわないポイントを弁護士が解説 鳥取県

手口が巧妙化し、被害が増加している特殊詐欺。鳥取県では6月にこのような事件がありました。 ◇◇◇ 鳥取市に住む40代の男性の元に、警察官を名乗る男から「詐欺の容疑がかかっている。出頭してほしい」と電話がかかってきました。 男性が出頭できないと告げると、検察官を名乗る男から「保釈金を払えば逮捕を免れる」と言われ、100万円を振り込んでしまった……というもので、警察が詐欺事件として捜査しています。 ◇◇◇ 小林沙貴 アナウンサー 「高橋さん、こうした詐欺巧妙化していますよね」 高橋真一 弁護士 「被害者を騙す手段はどんどん変化していますが被害者を焦らせ、パニックに陥れ正常な判断能力をなくさせる点は変わりません」 中山紗希 アナウンサー 「容疑がかかっている、と急に言われるとどうしていいか分からなくなりますよね」 高橋 弁護士 「ただ弁護士からすれば、今回のような詐欺の手法は正しい法律知識を持っていれば撃退できるものなんです」 小林沙貴 アナウンサー 「今回の事例では『逮捕される』という恐怖心を煽ったものですが、そもそも逮捕されたらどうなるのでしょうか」 高橋 真一弁護士 「罪を犯したと疑う事情がある場合に裁判所の審査を得て警察が逮捕を行います。目的は『逃亡・証拠隠滅を防ぐ』こと。犯人に予め「逮捕する」と告げてしまうと、逃亡・証拠隠滅されてしまいます。なので予告なく逃げ場をなくして、早朝に自宅で行われることが多くなっています」 小林沙貴 アナウンサー 「『このままだと逮捕されますよ』と言われることはないわけですね。そして、その後の流れとしては検察に身柄を送られて、最大20日間の勾留、起訴、裁判…と続いていきます。詐欺の手口は『保釈金を払えば逮捕を免れる』というものでしたが、”保釈金”はどのタイミングで払うものなのでしょう?」 高橋 真一弁護士 「”保釈金”というのは捜査が終わり、起訴されたあと判決が言い渡されるまでの間、保釈を認めてもらうかわりに裁判所に預けておく、お金のこと。金額は「通常、没収されると困る額」で収入の高い人だと数億円、お金のない人でも100万円ほど。逃げもせず、証拠隠滅しなければ、判決後に全額が返還されます」 中山紗希アナウンサー 「支払ったら自由になれるお金、というイメージもありますが、裁判に協力します。約束を破りません、という証明のために預けるお金なんですね。」 小林沙貴 アナウンサー 「これらを踏まえ、詐欺にあわないためのポイントをまとめました。『あなたが容疑者になっていて保釈金を払えば逮捕を免れる』といった詐欺の手口ですが… ・お金を払えば逮捕を免れることはない ・逮捕を予告することはない ・保釈金は裁判所に預けるもので、警察、検察が要求することはない ただ、急に『逮捕』と言われると動揺してしまうと思います。どのように対応すればよいでしょうか?」 高橋 真一弁護士 「私たち弁護士は守秘義務があり、犯罪の告白を受けても、絶対に秘密を守ります。『逮捕します』など告げられたら、弁護士に相談していただければ詐欺だと教えます。 また、特殊詐欺について注意しなければならないのが『オレオレ詐欺が流行ってますよ』と言った時点ではすでに犯罪者は『オレオレ詐欺』とは言わなくなっている。なので、被害者をパニックに陥れるためにどんどん手法を変えて、また詐欺の手法が新しくなっていくので、そこが特殊詐欺の注意点です。」 小林沙貴 アナウンサー 「いずれにせよ、1人で抱え込まないことが大切ですね。」

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