兵庫県警が大阪府内などでトヨタの「アルファード」や「レクサス」といった高級車を中心に狙って窃盗を繰り返していたグループを摘発、258件の犯行を裏付けたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。グループは「CAN(キャン)インベーダー」という通信機器を使ってエンジンを始動させるなどの手口で窃盗を繰り返し、被害総額は計約2億1700万円に上るという。 兵庫県警が窃盗容疑で逮捕、送検したのは、大阪府和泉市小田町の会社員、三原純一被告(40)=窃盗罪などで起訴。三原被告は他の3人と共謀して昨年11月~今年4月、大阪府内でトヨタの「プリウス」計5台を盗んだとしている。 捜査関係者によると、三原被告ら4人は大阪や京都、兵庫、奈良など近畿を中心に、屋外の月決め駐車場やコインパーキングなどに駐車している高級車を狙い、CANインベーダーで車の制御システムを不正に操作。エンジンを始動させて乗り込むなどして、窃盗を繰り返していたという。 CANインベーダーはモバイルバッテリーのような形状で、電気信号を発して車の電子制御システムを攪乱(かくらん)する。わずか5分程度で自動車を制御することが可能になるという。県警はハンドル・タイヤロックの取り付けなどの対策を呼び掛けている。 警察庁の統計によると、昨年1年間で発生した自動車盗の被害は、6080件で、平成15年の6万4223件をピークに、大幅に減少しているが、ここ数年は横ばい状態が続いている。