大統領令に抗議しホワイトハウス付近で米国旗焼却、男逮捕

【AFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領が米国旗の焼却など国旗を冒涜した者の訴追を司法省に要求する大統領令に署名した数時間後、この大統領令に抗議するため、ホワイトハウス近くで米国旗に火を付けた男が逮捕された。警察が26日、明らかにした。 米国旗の焼却は最高裁が1989年に合衆国憲法修正第1条が保障する「表現の自由」として認められると判断している。 ソーシャルメディアや地元メディアで共有された動画によると、男はホワイトハウスに隣接するラファイエット公園で拡声器を使って、「この家に居座っている違法なファシスト大統領への抗議として、この旗を燃やす」と叫んだ。 20年務めた退役軍人を自称するこの男は、「私は皆さんの表現の権利の一つ一つのために戦ってきた」「大統領が何と言おうと、この旗を燃やすのは、合衆国憲法修正第1条で保障された権利だ」と訴えた。 それから、燃焼促進剤がかけられていたと思われる米国旗に火を付けた。 大統領警護隊(シークレットサービス)の職員が消火器で火を消し止めた後、男を拘束した。 米公園警察は、ラファイエット公園などの公共公園で許可なく火を付けることを禁じる規則を理由に、男を逮捕したことを認めた。 最高裁は1989年の画期的な判決で、国旗の焼却は憲法修正第1条が保障する表現の自由によって認められると判断し、国旗の冒涜禁止を無効とした。判決は5対4で、リベラル派が賛成、保守派が反対に回った。 トランプ氏は25日にこの判決に言及し、「差し迫った違法行為誘発する可能性が高い場合」など、憲法修正第1条の例外に当たる場合もあるとの見解を示し、司法省に対し、米国旗の焼却に関する法律の「執行を可能な限り優先する」よう指示した。 6対3で保守派が多数を占める現在の最高裁が、1989年の判例を覆すか、あるいはその範囲を狭めるかどうかは不明だ。【翻訳編集】 AFPBB News

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