【速報】「公立玉名中央病院」の元院長に無罪判決 「不起訴不当」として開かれた業務上横領罪の裁判 熊本地裁

熊本県玉名市にあった公立玉名中央病院の元院長が、病院の研究費を着服したとして罪に問われていた裁判で、熊本地方裁判所は、元院長に無罪判決を言い渡しました。 旧 公立玉名中央病院の元院長で、医師の中野哲雄被告は、2016年、病院の研究費約700万円を着服し、自らが使用する車の購入費にあてたとして業務上横領の罪に問われています。 逮捕当時、中野被告は警察の調べに「病院の公用車として購入したもの」と供述し、熊本地検は中野被告を嫌疑不十分で不起訴処分としました。 その後、検察審査会の「不起訴不当」の議決を受けて再捜査が行われ、2023年2月に起訴されていました。 これまでの裁判で中野被告は一貫して起訴内容を否認しています。 ■「個人の口座か」「病院の口座か」 この裁判の争点は、車の購入時に使われた「整形外科グループ代表 中野哲雄」という名義の口座が、中野被告の「個人の口座」なのか「病院の口座」なのかということでした。 検察はこの口座について、病院の住所が設定されていることや金銭出納帳がついていることなどから、中野被告が「個人のものではなく『病院の口座』と認識していた」と指摘しました。 また、中野被告は口座の現金を使って車を購入したことを病院に報告しておらず、公用車としても登録されていないことを挙げ、「身勝手で悪質な犯行」として懲役3年を求刑しました。 一方、弁護側は「口座には中野被告が勤務時間外に行った治験業務に対する報酬が保管されていて『整形外科グループ』も存在しないことから『個人の口座』と考えるのが自然で合理的」と主張しました。 さらに「病院は口座管理を委託しておらず、中野被告には“骨粗しょう症研究の第一人者”という肩書きを傷つけてまで横領する動機もない」として無罪を求めていました。

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