大阪・関西万博 「夏パス」で来場者増え「ミャクミャク」グッズ好調だが…熱中症多発、猛暑に打つ手なし

大阪・関西万博は10月13日の閉幕まであと40日を切った。目標とした想定来場者数には届かなそうだが、夏に来場者が増えて運営の黒字化は達成できる見込み。会場建設費の膨張などが問題となってきた万博だが、どうやら運営に関しては新たな税金投入は免れそうだ。 万博でかかる費用のうち、人件費やイベント費用などの「運営費」1160億円の8割超は入場券収入でまかなうことになっている。日本国際博覧会協会(万博協会)は8月18日、入場券の売上高が「運営黒字化ライン」の969億円を超えたと公表した。 記者は8月29日に会場を訪れたが、朝から東ゲート前には長蛇の列ができていた。2時間待ちとなっているパビリオン前に並んでいた親子連れは、こんな話をしていた。 「夏パスを家族5人分買った。お得感がある」 「夏休みであと何回来られるかな」 夏になって、万博の来場者増を後押ししたのが「夏パス」だった。夏休み期間中(7月19日~8月31日)は何度でも万博に入場できるチケットだ。 万博協会関係者は、「夏パスは28万枚近く売れて、7、8月の集客に寄与しました。大人1万2000円、子ども3000円という値段設定もよかったと思います」と話す。 万博協会によると、夏パスの期限が迫った8月30日は約18万7400人と、開幕以来最多の来場者となった。 ただし、来場者数の総数は、万博協会が万博誘致のときから掲げている想定の2820万人に達しない見通しだ。8月30日までの一般来場者数の合計は約1657万人、万博会場で働く人やマスコミなど関係者の数を入れても約1908万人。たとえ閉幕日の10月13日までずっと最多の18万7400人が来場したとしても、2820万人には届かない計算となるからだ。 関西経済連合会の会長で、万博協会副会長の松本正義氏(住友電工会長)は4月の記者会見で万博の来場者数についてこう話していた。 「来場者が1500万人しか来なかったら失敗と言われる。2820万人来たらOK、それ以上だったら、ようやったなと」 このままでは「ようやったな」どころか、「OK」にもならない見通しだ。

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