“不祥事根絶プロジェクト”立ち上げすぐの逮捕…容疑者教諭は「熱心で勤務態度に問題見られず」<福島県>

福島県立清陵情報高校に勤務する鈴木湧万教諭(29)が9月16日、建造物侵入の疑いで逮捕された。 警察によると鈴木容疑者は2025年7月31日午後6時半ごろ、郡山市内にある商業施設の女子トイレに侵入した疑い。 警察の調べに対し「盗撮目的で侵入した」と容疑を認めているという。 福島県教育委員会は、2024年度にわいせつ事案や体罰などで27人の教職員を懲戒処分としていて、相次ぐ不祥事を受けて2025年3月、外部有識者の意見も踏まえ研修や面談の実施などを盛り込んだ「不祥事根絶プロジェクト」を策定したばかりだった。 県教委は鈴木容疑者の逮捕を受けて9月16日に会見を開いた。 <福島県教育委員会会見(9月16日)> Q 7月31日は鈴木容疑者の勤務日か。 A 午前中は勤務、午後は夏季休暇を取得していた。勤務内容の詳細は把握していない。 Q 逮捕を受け、県教委として本人とは接触できているか。 A 接触できていない。 Q 鈴木容疑者の経歴は。 A 令和4年4月に正式採用された。現在の勤務校に2025年4月に異動したばかりで2校目。担当教科は工業。教科指導、部活指導に熱心に取り組んでいるという評価で、勤務態度に問題はなかったと聞いている。 Q 最後に出勤が確認できているのはいつか。 A 先週の金曜日(9月12日)。この日は特に変わりなく通常通り勤務にあたっていた。本日(9月16日)は朝、学校に本人から休暇の申し出があった。体調がよくないという趣旨のことを伝えていたと聞いている。 Q 学校内での盗撮事案などは発生していないか。 A 我々が知りうる情報は建造物侵入の疑いのみで目的まで把握はしていないため、これと切り離してお伝えする。全国で問題になった学校内での盗撮問題を受けて7月に文科省からの通知があり、カメラ等の設置がないかどうかの徹底点検を本県すべての学校で実施した。今回の逮捕事案での目的は明確ではないが、当該の学校としては本日(9月16日)改めて対応を行っていて「不備はなかった」との点検結果を聞いている。 Q 不祥事に対する何らかの対応は行っていたか。 A 昨年度、懲戒処分案件が多かったため、外部有識者から不祥事根絶に向けた意見をもらう会議を2月から3回にわたって開き、3月に「不祥事根絶プロジェクト」を策定。学校現場と我々が目指すものに乖離がないようにして今年度スタートしてこれまで取り組んできた。今回の事案を踏まえて緊急の通知文を発出する。我々も詳細をつかんでいないところもあるので、事実を整理したうえで対策を講じていきたい。 教員一人一人に届くように地道に取り組んできているが、まだ届いていない、自分ごととして捉えてもらえていないことは遺憾。一人一人に届く取り組みを展開していかなくてはならない。 Q「不祥事根絶プロジェクト」の内容は。 A 教育長や教育委員会幹部が学校に行って対話をしたり、基本的な考え方や不祥事の事例を示した冊子などを活用して確認したりするというのが大筋。具体的な事例を通して各学校で議論し自分事として考えてもらう、といった内容。 Q 鈴木容疑者は研修や面談を受けていたのか。 A ほとんどの学校では職員会議と合わせて服務倫理に関する会議を開き、すべての教員が不祥事の事例研究に取り組んでいる。鈴木容疑者も勤務校のこのような会議に出席し研修も受けていた、その様子からも特に変わったところは見られなかったと聞いている。5月には期首面談として校長が鈴木容疑者との個別面談を実施したが特段変わった様子はなかったと聞いている。 Q 鈴木容疑者の処分は。 A 本人からの事実確認をして、然るべき厳正な処分を行う。 Q 生徒のケアは。 A 緊急事案が発生しているという状況なので、カウンセラーの適正な活用を含めて学校の支援をしていかなければと考えている。緊急の案件なので、生徒、保護者への説明は明日実施する方向で調整している。

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