1億円を横領したとして逮捕された金融機関の店長。金庫の中に「置き手紙」を残していました。 ■1億円横領か 置き手紙「ごめんなさい」 19日午後、和歌山県内の警察署に入ったのは…。 置き手紙を残して職場を去った後、指名手配になっていた男でした。 和歌山県串本町にある金融機関の店長・新田博志容疑者(44)。職場の金庫に保管されていた現金1億600万円を横領した疑いで逮捕されました。 串本町民 「(Q.金額をきいて)びっくり、すごいわ」 「(金額が)大きいよ。こんな小さい田舎で1億円なんて見たことない」 事件の現場となったのは、漁協の組合員などが利用する金融機関。カツオの水揚げで有名な串本漁港の真ん中にあります。 漁港近くで働く人 「いつだったかパトカーが3台くらいきて、直接は聞いてないけど噂にはなっていた。漁師は皆(新田容疑者が勤務する)金融機関に行く。本当にいい人、“いい人”というのがぴったりの人だから皆びっくり」 異変が起きたのは16日でした。3連休明けのその日、従業員が金庫の中身をチェックしたところ、中にあるはずの現金1億円余りがなくなっていたのです。従業員はこの時点で警察署に連絡。ここで、さらなる異変が従業員を襲います。 店で一大事が起きているにもかかわらず、出勤するはずの店長の姿が見当たらず、代わりに見つかったのは置き手紙でした。 「こんな形でみなさまを裏切ることになったこと本当にごめんなさい。新田」 店長が残した、思いもよらぬメッセージ。1億円余りの金は、どこへ消えてしまったのか。 ■自ら出頭 「個人的な借金返済のため…」 警察は店長を指名手配し、行方を追っていましたが、19日に発見されました。 場所は、串本町の現場から直線で400キロ以上離れた東京・新宿警察署です。午前1時半ごろ、自ら出頭し…。 新田博志容疑者(44) 「会社のお金を盗んでしまったので来ました」 取り調べに対しては、こう話したそうです。 新田博志容疑者(44) 「個人的な借金返済のために使った」 新田容疑者を知る人は…。 新田容疑者を知る人 「そんなに借金あったんやと。車も軽自動車、黒の軽に乗っているのを見た。金融機関の店長だといい車に乗ってそうじゃないですか。手紙を残しているところが彼らしくてかわいそう。普通なら何も言わずに行けばいいのに、そこが彼らしい」 地元の住民からも驚きの声が…。 串本町民 「緩いね、お金を扱うところにしてはそんなに常時お金を置いているの」 「置いてなかったら持って行かない」 「びっくり、こんなに小さい田舎でそんなことするなんて」 1億円余りの現金の行方は捜査中だということです。