「NHKをぶっ壊~す!」 のフレーズで注目を集めた政治団体『NHKから国民を守る党(NHK党)』がぶっ壊れてしまいそうだ。 同団体の立花孝志党首(58)は11月9日に、元兵庫県議会議員で亡くなった竹内英明氏への名誉毀損容疑などで逮捕され、28日に起訴した。 NHK党はリーダーを失い、斉藤健一郎参院議員(44)、川崎貴浩弁護士(33)は離党。斉藤氏については、日本保守党を離党した河村たかし衆院議員(77)が立ち上げる新党に合流するというウワサも駆け巡っている。 そんなNHK党について、元参院議員の音喜多駿氏(42)は自身のユーチューブチャンネルでこう分析した。 〈(NHK党の)浜田聡元参院議員さん(48)と斉藤さんが熾烈なライバル関係にあって、仲が良くなかったと側聞している。斉藤さんも浜田さんも我が強いというか鼻っ柱が強いところがあって、一期生同士で思うところがあったんでしょう。海千山千の猛者たちを立花さんがまとめていたが、逮捕されて、指揮が執れなくなって、ほころびが生まれたんじゃないか〉 起訴された立花被告は保釈申請が可能だが、通る可能性は限りなく低く、来年に開かれる初公判まで勾留が続くとみられる。 亡くなった竹内県議の妻は11月28日、オンライン会見を行い、改めて示談に応じるつもりはないと強調したうえで、 〈司法の場において検証され、その責任が正しく問われることを強く望みます〉 と断罪した。 立花被告にメスを入れた兵庫県警は本気だ。 ◆ポイントは党員がどう動いたか 11月28日には6月の尼崎市議選で応援演説に抗議活動をした男性を取り押さえ、負傷させた逮捕致傷の疑いで、同被告を神戸地検に追送検していたことがわかった。 尼崎市議選にはNHK党の新人が立候補。投開票前日の6月14日、立花被告が塚口駅前で応援演説を行っていると、男性らが「帰れ」などとシュプレヒコール。立花被告は選挙カーの上からマイクで「公職選挙法の選挙妨害」と告げ、党関係者に 「私人逮捕してください」 などと男性を取り押さえるよう指示した。 これを受け、党員の男2人が男性の首に手を回して拘束。頸椎捻挫のケガをした男性からの告訴を受け、県警は捜査を進めていた。法曹関係者によれば、 「刑事訴訟法で現行犯であれば誰でも逮捕状なく逮捕できると規定されている。電車内で痴漢を目撃した乗客が犯人を取り押さえる例などがこれに該当する。ただし、選挙運動への口頭妨害は違法ではないため、立花被告が主張する『私人逮捕』は認められない」 と話す。 立花被告は後日公開したユーチューブ動画で 〈事前に(警察へ)確認はしていた。現行犯逮捕すれば捜査に入ってくれると思った。法律を変えるしかない〉 と釈明している。 本サイトが事件を取材する在阪のテレビ局関係者に話を聞くと、 「立花氏の指示によって、党員が手となり足となり動いたところがポイント。NHK党で立花氏は『教祖』のような存在。彼の指示によって、敵対する相手に誹謗中傷を仕掛けたり、今回のように暴力的に相手を拘束することができる。この構図が示されたことで、亡くなった竹内さんに対する誹謗中傷の責任が立花被告にあると強調できる」 と指摘。そのうえで 「兵庫県警の本気度は高い。あくまで実刑を狙っている」 と断言する。 このところ民事裁判でも敗訴続きの立花被告。そのたびにニュースとなり、同被告の人間性を問う世間の声は一層強まっている。 「NHK党の熱狂的な支持者は依然として陰謀論まがいの主張で立花被告を正当化しているが、“教祖”の指示で違法行為を行った党員も罪に問われる流れになっている。当局は立花被告だけでなく、NHK党を解体するつもりなのだろう」(同・在阪テレビ局関係者) かつて裁判所は「NHK党=反社会的カルト集団」と定義しても名誉毀損には当たらないとする判決を下した。警察や公安内部でも以前からNHK党の危うさについて 「民主主義の根幹を揺るがす可能性がある」(警察関係者) と警戒してきたという。 今回ばかりはさすがの立花被告も徹底的に追い込まれそうだ――。