5日の金曜ロードショー(後9時)は、同日にディズニーアニメ「ズートピア2」が公開されるのに合わせて、前作の「ズートピア」(2016年)を枠を15分拡大して放送。世界で10億ドル(約1500億円)以上、日本でも「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(116・3億円)に次ぐ同年の海外映画2位の76・3億円の興行収入を記録した人気作品が登場する。 物語の舞台は、様々な動物たちが暮らす街「ズートピア」。子供の頃からの夢をかなえて警察官となったウサギのジュディだったが、街で与えられたのは駐車禁止の取り締まり。世界をより良くするために働きたいと思っていたジュディは物足りなさを感じていたところ、詐欺師のキツネ・ニックと出会う。 そんな中、ジュディはふとしたきっかけで行方不明事件を担当することに。署長から「48時間以内に解決しなければクビにする」との命令を受け、ニックの力も借りて捜査を始めたが、やがて事件の裏に、街全体の将来を揺るがす陰謀が隠されていることを知る―。 「ズートピアってどんな街?」を紹介する時に出てくる言葉「誰でも、何にでもなれる」というのが、この作品の全てを物語る。子供の頃の夢をかなえながらも、周囲からの様々な”圧力”でくじけそうになるジュディと、夢を持ちながらも、ある出来事を機に横道にそれてしまったニック。2人(2匹?)が事件の捜査を通じて交流することで成長していく姿を説教くさくなく、エンターテインメントとして描いている。 ところで、警察官とならず者がコンビを組んで、ぶつかりながらも事件を解決しようとする―というストーリー、ある一定以上の世代では「ん?」とひらめく作品があるのではないだろうか。しかも、与えられたリミットは48時間といえば…。そう、タイトルもそのまま「48時間」(1982年、日本公開は83年)だ。 「ビバリーヒルズ・コップ」などで知られ、黒人俳優として最も成功したとも言われるエディ・マーフィーの映画デビュー作。刑事・ジャック(ニック・ノルティ)と一時釈放されたレジー(マーフィー)が、48時間のうちに凶悪犯を逮捕しようと試みるバディ・ムービーだ。 90年には続編「48時間PART2/帰って来たふたり」も製作されるほどの人気作品だが、金ローでの放送は、ずいぶんとご無沙汰になっている。本作の放送で思い出し、どうしても見たくなってしまった。ぜひ放送してもらいたい。(高柳 哲人)