2022年6月、大分県別府市で大学生2人が車にはねられ、1人が死亡、1人が重傷を負ったひき逃げ事件。大分県警は殺人や殺人未遂などの疑いで八田與一容疑者(29)を重要指名手配し、現在も行方を追っている。事件発生から4年が経過した今も逮捕には至っておらず、情報提供が呼びかけられている。 ABEMA的ニュースショーが2023年4月に公開した、当時メディア初となる八田容疑者の動画がある。「私にとって人生のプランなんですけど、そんなものはありませんね。生活保護っていうシステムがあるんですよ。将来を見据えて安定した生活を送るっていう意味で、万引きとかしたりして食べていけば。ハハハ……」「(ビールを飲んで)ああ、うまいね、おいしいね。お酒はやっぱりね、みんなで飲まないとね」。 これまでの手配犯のように写真ではなく、動画の顔はアップで、肉声の特徴をそのまま伝えている。この動画は瞬く間に拡散された。しかも八田容疑者はスマホや財布を持たず、裸足で逃走。誰もがスマホを持つSNSの時代、逮捕されるのは時間の問題と思われた。しかし、別府湾に面したヨットハーバーでTシャツを脱ぎ捨てた後の足取りは今も分かっていない。 あれから4年、5月末時点で大分県警に寄せられた情報提供の総数は1万2871件。未解決事件の情報提供数としては異例の多さだ。それでも逮捕できていない。「もう死んどるわ」と別府市民の間でも同様の声が大半を占めていたのも事実だ。 2023年5月には、「大事なこれらの証拠をなぜもう少し早く公開しなかったのか?」と質問を投げかけると、別府署交通課正成祐治課長(当時)は「万が一誤った憶測、こういったものが生じかねない」と回答。その“憶測”とは「八田容疑者は海に飛び込み逃走した」ということを意味している。 しかし現地の海を見た元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は「絶対、水死体があったら発見されます。この周辺で腐敗して発見されます」と断言。では八田容疑者はどこに消えたのか。番組ではこれまで、あらゆる方法で事件情報の拡散、そして取材を行ってきた。 2023年4月、事件に遭遇しけがをした、当時大学生だった男性にもいち早く独自取材し、事件の詳細を聞いた。「ブーンってなった瞬間にミラー見たらヘッドライトがすぐ近くまで来て」「明らかにアクセルベタ踏み。レッドゾーン入るんじゃないかくらいの」(亡くなった大学生の同級生) 潜伏の可能性のある場所で聞き込み取材も行った。大阪の不動産管理会社社長は西成地区について「身分証なしで入れるような物件は全国で一番多いと思う」と説明。東京・新宿区でキャッチをしていた男性は「キャッチとかくらいじゃないですか?身分証がいらないので」と指摘した。 英会話講師殺害事件の市橋達也受刑者が潜伏していた沖縄・オーハ島も尋ね、痕跡を追った。また「八田容疑者に似ている人がいる」という番組への情報提供者は「口座がないとか、ちょっと特殊な人たちの派遣らしい。本名なのかすら危うい」と証言。当人を秋山氏が現地で直接確認したが別人だった。 八田容疑者と過去に接触歴のある人物たちからも話を聞いている。八田容疑者の同級生は「ちょっと怒った時、少し口調が荒くなる」、八田容疑者と合コンで知り合った女性は「自分の話を一生懸命話している」、八田容疑者と交際していた女性は「キスされたかもしれない」と人物像について語っていた。栃木・鬼怒川では、別会社で働いていた八田容疑者を知る人物が「1年は絶対にいた。冬はスキー場に行っていた」とも語った。 各地でビラも配った。似た人物を見たという情報があれば、本人に会いに行った。情報提供者は「『おい八田!』って、届くか届かないかくらいで言ってみた」と明かす。その人物は慌てて自転車に乗って逃げ去って行ったという。 そして、八田容疑者の親族にも取材を実施。秋山氏が「遺族に対するお気持ちだけ教えてくれますか?」と言葉をかけると、八田容疑者の母親は「大変申し訳なく思っています。本当に後悔の念ばかりで、なんで止められなかったんだろうとか……」とコメント。八田容疑者の祖父は「声かけてもしゃあない、もう死んでる」と話した。 それでも有力な手がかりは掴めなかった。取材開始後、道路交通法違反容疑では初となる重要指名手配に指定され、殺人および殺人未遂罪が追加となり時効がなくなった。 亡くなった大学生の遺骨は今も自宅で大切に祀られ、家族は悲しみと怒りのぶつけ先もないまま丸4年が経過。亡くなった大学生の父親は「悪口は言いたくないですけど、実際何もしてくれないですから。現状、何も変わってない」と訴えている。 情報提供先は、別府警察署0977-21-2131。ABEMA NEWS公式X(@News_ABEMA)のDMでも情報を募集している。 (『ABEMA的ニュースショー』より)