超党派の「人権外交を超党派で考える議員連盟」は17日、国会内で総会を開き、トランプ米政権が国際刑事裁判所(ICC)の「解体」を主張していることについて、抗議声明をまとめた。日本政府に対し「いかなる圧力の下でも脱退せず、ICCの独立性と機能を支持し続ける」立場の明確化を求めている。 ICCは常設の国際刑事裁判機関としてオランダ・ハーグに設置され、人道に対する罪や戦争犯罪などで個人を訴追・処罰する権能を持つ。2023年にはロシアのプーチン大統領に逮捕状を発付した。125カ国・地域が加盟するが、米国やロシア、中国などは加盟していない。日本は最大の資金拠出国。24年以降、赤根智子所長が日本人として初めてトップを務めている。 ■ICCを「解体」する トランプ政権はICCを敵視しており、米国務省は13日、ICCが米国の主権に脅威をもたらしているとして、対抗措置をとると表明。ICCと関連団体への制裁や、加盟国に脱退を促すための外交圧力を検討しているという。ルビオ国務長官は米紙への寄稿で「必要であれば、あらゆる手段を用いてICCを解体する」と主張した。 議連の抗議声明は、米国が国際司法機関そのものの「解体」を掲げ、締約国への脱退圧力などに訴える手法は不適切だと指摘。「懸念表明として理解し得る振る舞いを大きく超えており、法の支配そのものを覆しかねない深刻な事態をもたらす」と批判した。 その上で、日本政府に対し、ICCから脱退せず、その独立性と機能を支持し続ける立場を内外に明確に表明するよう要請。外交ルートを通じ、米国側に懸念を伝え、方針転換を促すとともに、赤根所長を含むICC職員への制裁拡大を行わないよう働きかけることを求めた。 ■東京裁判への反省が原点 総会後、共同代表の舟山康江参院議員(国民民主党)は記者団に「ICCに関しては東京裁判の問題点への反省から、常設の国際刑事裁判所を設立しようという機運が生まれ、日本も率先し設立に関わった」と説明。「日本から所長を輩出している今こそ意義がある。どこの国よりも強くICCを守り育てていく責務がある」と強調した。 同じく共同代表の中谷元・前防衛相(自民党)は、「日本として平和を維持するためには法の秩序の維持こそ原理原則だ。ICCは戦争犯罪や人道犯罪を阻止する最後の砦だ。しっかりICCを守っていきたい」と語った。