始まりは「万馬券で借金帳消しに…」貸金庫6億円窃盗、容疑者が説明

ハナ信用組合の貸金庫から現金6億円超が盗まれた事件で、窃盗容疑で逮捕された横浜支店元次長の無職李勝炫容疑者(49)が、ギャンブルで作った借金数百万円の返済と、新たにギャンブルする資金を得るため、窃盗を始めたと話していることが捜査関係者への取材でわかった。現金を上着のポケットなどに入れて、1回に1千万円以上を持ち出したり、1日に数回盗んだりしたこともあったという。 県警によると、李容疑者は横浜支店で次長として貸金庫などの鍵の管理責任者だった2021年ごろ~23年ごろ、支店の貸金庫から複数の顧客が預けた現金約6億1900万円を、百数十回にわたって盗んだ疑いがある。容疑を認めているという。 捜査関係者によると、李容疑者は同支店に赴任する前から給料の大半をギャンブルに充てていたとみられ、数百万円の借金があった。「競馬の万馬券を当てれば借金を帳消しにできる」「お金が手に入る方法はないか」と考えて、窃盗を始めたと話しているという。 貸金庫内にある顧客が金品を預ける保管箱は、1箱あたり1万円札が7千枚入る大きさだった。李容疑者が発覚を免れるため、高額の預け金があり、来店頻度が少ない顧客を選んで金を持ち出したと県警はみている。客から被害申告がなく、窃盗が長期間発覚しなかった可能性もあるという。 李容疑者は、17年の店舗移転の際などに、横浜市の鍵店などで鍵を複製。十数本のスペアキーを所持し、深夜や休日にも貸金庫室に出入りしていたという。 同信組によると、発覚後の昨年3月に店舗での貸金庫業を廃止した。顧客の被害金額が確定し次第、賠償する方針という。(手代木慶)

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