【】脳内戦艦サナエ、出撃!<内なる敵>

ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。この連載ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく! * * * 首相就任から間もない10月末は外交続きだった高市早苗首相。トランプ王とは共同声明も共同記者会見もなく、戦わずにして勝利(?)した。 中国の習近平主席からは譲歩を引き出したものの、翌日にはXにて台湾代表と会談したことを吐露してしまい自爆。日中の外交チャンネルがフリーズしているために、売り言葉に買い言葉となり、解決不能の紛争に陥っている。 さらに11月7日の国会では台湾有事に関する答弁で、現在は存在しない「戦艦」発言まで飛び出した。 日本を救うべく出撃した「脳内戦艦サナエ」。しかし、その最大の敵は「内なる敵」だった……。 ――自民党と連立している日本維新の会は、政府のインテリジェンス能力を確立するために「国家情報局」と米中央情報局(CIA)のような「対外情報庁」の創設を要求しています。これは可能なのでしょうか? 佐藤 対外情報庁は無理ですよ。 ――維新の会はなぜこれを言い出して、要求しているのですか? 佐藤 対外インテリジェンスの実情を知らないからですよ、その組織を作れば何が起きるかを。もし対外情報機関を本格的に作るなら、スパイ防止法の制定を後回しにしないとダメです。 ――どの報道でも、まず第一にスパイ防止法の制定からやる、と言っていますが? 佐藤 スパイ防止法を作ったのに、もし警察が一件も摘発しなかったらどうなると思います? ――そりゃ、まずいです。 佐藤 はい。だから法律ができて2~3年以内に、絶対に事件を立件します。そのとき、誰が捕まると思います? ――日本国内に潜入した外国スパイですか?

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