あっせん収賄罪について、刑法は「公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正行為をさせるか、逆に、相当の行為をさせないようにあっせんをすること、または、したことの報酬として賄賂を受け取ること」などと定める。「賄賂の要求、または、約束をする行為」も対象だ。 あっせん収賄罪の罰則は5年以下の拘禁刑。公訴時効は5年、贈賄罪の時効は3年だ。有罪が確定すれば賄賂は没収される。 東京都千代田区発注工事で、業者からの依頼で、非公開の入札情報を漏らす見返りに金品を受け取ったとして元区議があっせん収賄容疑で2024年3月に逮捕されるなど、こういった事件は後を絶たない。 こうした贈収賄事件は「汚職事件」とも呼ばれ、目に見える被害者がいない。ただ、公務員や議員らの職務の公正さが失われ、行政や政治などへの信頼が失われれば、めぐりめぐって、被害は国民一人一人が受けることになりかねない。 知能犯罪に詳しい警察幹部によると、あっせん収賄事件では、議員による公務員らへの「口利き案件」が少なくない。通常、密室で金品のやり取りなどが行われることが多く証拠を得ることが難しいうえ、「あっせん」などを立証する必要もあり、幹部は「あっせん収賄罪での立件は容易ではない」と話す。(八木拓郎)