14歳から「生きるため」に体を売った女性の声 売春防止法改正で問われる「誰の何を守る法律なのか」 買う側規制でも残る、売る側処罰の懸念

秋の臨時国会に、売春防止法の改正案提出が検討されている。買う側の路上勧誘などを規制する一方、売る側を罰する同法の第5条は維持する方向だという。当事者支援の現場からは「構造が変わらない」との懸念の声が上がる。当事者と支援する女性たちの声を聞いた。 * * * 嫌だった。それでも仕方がなかった。 「帰る場所も行く場所もないので、必死に生きていくためでした」 なおさんは、静かに話す。地方に住む20代の女性。14歳のときから約3年間、大阪・ミナミのグリコの看板下、通称「グリ下」で体を売ってきた。 きっかけは、家にも学校にもどこにも居場所がなかったことだった。中学2年生のとき、家出をして、グリ下に来た。歩いていると男性から声をかけられ、性売買につながった。1回当たり受け取っていたのは約5千円だった。 買う側には、「お金を払っているから何をしてもいい」と思われていたと振り返る。人ではなく、商品として扱われていると感じた。そんな男性を、「キモい」としか思えなかった。 「やりたくてやっていると思われがちでしたが、そうではなく、それしかなかったからです」(なおさん) 生きるために体を売らざるを得なかった女性を処罰の対象とする法律のあり方が、いま問われている。法務省は、秋の臨時国会への売春防止法改正案を提出する方向で検討を進めている。 1956年に制定された売春防止法は、「売る側」の勧誘などに罰則が設けられている一方、「買う側」には罰則がない。 この構造があらためて注目されたのは、東京・歌舞伎町で悪質なホストクラブによって女性が多額の借金を背負い、路上売春に追い込まれた末に逮捕されるケースが相次いだことだ。性を売らざるを得ない女性だけが検挙される「歪(ゆが)んだ構造」への批判の声が上がった。そうしたなか昨年11月、高市早苗首相は、売買春に係る規制のあり方について必要な検討を平口洋法相に指示。今年3月、法務省は検討会を設置し、8月下旬にこれまでの議論を踏まえた報告書案が提示された。

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