茨城県大洗町の飲食店で女性2人が刺され死傷した事件で、傷害容疑で逮捕された同県日立市、会社員、男(30)が、調べに対し「記憶がなく覚えていない」と容疑を否認していることが6日、県警水戸署への取材で分かった。逮捕直後は黙秘していた。凶器として使った枝切りばさみを現場近くで入手したとみられることも判明。同署で詳しい状況を調べている。男は4日午後9時45分ごろ、同町五反田の飲食店で、知人の栃木県大田原市、会社員、女性(41)の腹部を枝切りばさみ(刃渡り約15センチ)で突き刺し、けがをさせたとして同日逮捕された。同時間帯に、店の向かいの住宅敷地内で別の女性が血を流して倒れているのが見つかり、その後死亡した。同署によると、死亡したのはこの店を経営する同町五反田、女性(72)。6日の司法解剖の結果、死因は首や背中を刺されたことによる出血性ショックで、傷は肺に達する深さだった。同署は男がこの女性も刺した可能性があるとみて殺人事件として調べる。事件当日、男は、会社員女性とその友人女性の3人で客として店を訪れ、当時は死亡した女性を含む4人がいた。事件後、店内は瓶やコップが割れていたといい、何らかのトラブルがあったとみて詳しい経緯を調べている。男は当時酒に酔っていたという。同署は6日、男を送検した。■死亡した女性 「明るい人」 常連客悼む大洗町の女性死傷事件で、死亡した女性は、地元で人気のスナック店のママとして住民らに親しまれていた。店の常連の50代女性は、一報を聞いて事件翌朝に現場を訪れ、「明るくて正義感が強い人。ママが好きで店を訪れる客も多かった」と惜しんだ。料理や歌が上手で、カラオケではよく吉幾三さんの曲を披露してくれたという。死亡した女性が同町内の別の場所でスナックを営んでいた時代を知る70代男性は「お盆や年末には『うるさくてすいません』と言って菓子折りを持ってきてくれるようなしっかりした人」と話し、「トラブルに巻き込まれるようなタイプではない」と驚いた様子だった。