なぜ巨人新監督に松井秀喜氏だったのか 球団「危機」に勝負手 チームの再建へ求められた求心力

終戦から12日後に発表された巨人新監督の名に、日本列島は歓喜した。テレビカメラは17台並び、各局で会見は中継された。報道陣も約120人が集結。なぜ、松井秀喜だったのか-。山口寿一オーナー(69)の言葉からひもとくと、球団の強い危機感がにじんだ。 「今季いろいろなことがジャイアンツにありまして、ジャイアンツにとっては一つの危機であった年だと思っております。そこを力強く乗り越えて、強いジャイアンツにしていくには松井監督にお願いするしかないと思った」。全日程が終了した後に要請をし、1週間後に受諾の連絡をもらった経緯も説明された。 激動の一年だったことは確かだ。阿部前監督が交流戦前に緊急逮捕され、翌日に電撃辞任。橋上監督代行を立て、最終盤まで阪神と熾烈(しれつ)な優勝争いをするもあと一歩届かなかった。揺れ動いたチームの再建へ、球団が求めたのは実績だけでは測れない求心力だったのではないか。 巨人の象徴として今も変わらず愛され、松井監督も「ジャイアンツに対する愛が、最後すべてを上回った」と明かす。コーチ人事も含め、今後急速に固めていく方針で再建の道筋はこれから色濃くなる。球団が危機を乗り越えるために選んだ、巨人の歴史と未来をつなぐ存在。松井新監督の誕生は、強い巨人を取り戻すための勝負手にほかならない。(デイリースポーツ巨人担当・松井美里)

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