1日、大阪市西成区で、小学生7人が車にひかれ、運転していた男が殺人未遂の疑いで逮捕された事件で、車は現場を蛇行運転したうえ、ブレーキをかけていなかったとみられることがわかりました。 2日朝、児童が被害にあった小学校では、教職員らが見回りを強化する中、多くの子どもが親と一緒に登校しました。 保護者 「ああいうことがあって、子どもたちもすごく不安がっていたので」 「本当に怖いですね。道も狭いし、子どもも多いので」 1日昼すぎ、下校中の小学生7人が車にはねられ、重軽傷を負った事件。 矢沢湧希容疑者(吹き替え) 「すべてが嫌になったから、人を殺そうとして、乗っていた車で突っ込み、数人の小学生をひき殺そうとした」 殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、東京都東村山市に住む無職の矢沢勇希容疑者(28)。無差別に小学生を殺害しようとしたのでしょうか。 これは事件直前の小学校の北側の道路にある防犯カメラの映像です。矢沢容疑者が運転していたとみられる白い車が十字路を通り過ぎます。 さらに40メートルほど先の防犯カメラにも同じ白い車が。道路わきには児童が歩いていますが、車はその横を通り過ぎていきました。 車はこの二つの防犯カメラの前を通り過ぎた後、交差点を右に曲がり、蛇行するように一度東側にふくらんでから下校していた児童らに突っ込んでいったということです。現場にブレーキをかけた痕はなく、警察は減速せずに意図的にこども達をはねたとみています。 救助に来た人 「下敷きになっている感じ。頭と顔が出ている。女の子。先生が引っ張り出した」 目撃した子どもの保護者 「女の子がひとり、血だらけ。服も真っ赤になってて。男の子は4~5人くらいがすり傷とかで、血が結構流れてる。みんな泣いているから意識はあった」 小学校2年生の男子児童4人と女子児童1人、3年生の男子児童2人がケガをし、そのうちの2人があごや腕の骨を折る重傷です。 現場にいた学校支援員の男性に取り押さえられた矢沢容疑者。アルコールは検知されず、車はレンタカーでした。 このレンタカーは事件の2日前、JR新大阪駅近くの店で借りていたことが、2日新たにわかりました。 東京で1人暮らしだったという矢沢容疑者は、放射線技師として働いていた病院を先月、自主退職していたということです。 この日、読売テレビの取材に応じた矢沢容疑者の父親は。 矢沢容疑者の父親(吹き替え) 「(矢沢容疑者は)実は昨年の1月に自殺未遂をしたことがある。もともとメンタルが弱い。前から様子がおかしく、部屋も汚くて髪もボサボサだった。最後に妻が(息子のもとに)足を運んだのは、1か月半ほど前。会えなかった」 矢沢容疑者が大阪で犯行に及んだことについては。 矢沢容疑者の父親(吹き替え) 「なぜ大阪の西成なのか、そこが全くわからない。大阪に行ったことがあるのかという感じ。親族がいるわけでもない。なぜこんなことしたのか逆に知りたい。ケガをされたお子さん、親御さんに本当に申し訳ない」 東京に住む男が、なぜ大阪で子どもたちを襲ったのか。警察が詳しい経緯を調べています。 ◆◆◆◆◆ (取材・報告:属ちひろ記者) 私の奥に見えるのが小学校の北東角の交差点です。 防犯カメラの映像にもあったように、矢沢容疑者が運転する車はあちらの交差点を右折して、この道路を南側に進んでいきました。 この道路、幅が約3.7メートルほどしかなく、車1台が通れるのがやっとというほどです。そして、ガードレールがなく、人と車を遮るものがない状況です。保護者の方を取材していても、「狭くて危ない道」という認識が広がっていました。 こちらが小学校の正門でして、捜査関係者などによりますと、車はこのあたりを蛇行運転しながら、最終的には一度、東側に膨らんだうえで、西側に寄って歩いていた小学生に突っ込んでいったということです。 さらに目撃者によりますと、車はブレーキランプが点いていなかったということで、スピードを緩めずにつっこんでいったものとみられています。