賄賂を受け取った疑いで逮捕されたのは、名古屋市の観光プロモーションを担うスペシャリストでした。私的な飲食代などを業者に肩代わりさせたとみられていますが、不正の背景には何があったのでしょうか。 9日朝、名古屋市役所は物々しい雰囲気に包まれました。 (木下大記者) 「午前9時です。愛知県警の捜査員が名古屋市役所に家宅捜索に入ります」 捜索先は市の観光交流部。ここで担当課長を務めていた男が賄賂を受け取った疑いで愛知県警に逮捕されたのです。 きょう送検された大塚勝樹容疑者62歳。名古屋市が発注する観光客誘致のための事業をめぐり、広告会社「ニック」が受注できるよう便宜を図った見返りに、飲食代などおよそ43万円を負担させた疑いがもたれています。 ■発注は2年あまりで総額1600万円 捜査関係者によりますと、大塚容疑者は全国各地に出張した際の私的な飲食代のほか、タクシー代や宿泊代などをニックに肩代わりさせていて、こうした行為が「収賄」にあたると判断されたのです。 賄賂を渡した疑いで逮捕されたニックの取締役桑原清美容疑者54歳も、けさ送検されました。 名古屋市からニックへの発注は2年あまりで総額1600万円に上っていて、警察はこれが大塚容疑者の口利きなどによるものとみています。 ■2人の関係は?従業員「特別親しくもない」 一方、2人の関係を知るニックの従業員は。 (ニック従業員) Q取締役(桑原容疑者)と大塚容疑者の関係は? 「普通のお客さん」 Q特別親しかった? 「いや、それもない」 久屋大通公園で行われた台湾夜市を再現したイベントなどを名古屋市から請け負っていたものの、あくまで取引先の一つという位置づけだったとと話しました。さらに。 (ニック従業員) 「飲み会、割り勘でやってたみたい。割り勘も珍しいと思ってましたけど。でも嫌がってましたよね。本人(桑原容疑者)はあんまり行きたくないって。 Q接待? 「接待じゃない。ただの飲み会。接待はしちゃいけないっていう」