【凶悪手口】人気セクシー女優 警察官騙る詐欺で全財産を失う、「バカにされても啓発したい」本誌に独白

“警察官”を名乗る詐欺電話の被害が、全国的に猛威をふるっている。「あなたに逮捕状が出ている」「振り込めの詐欺の捜査をしている」などと話を持ちかけ、国際電話を利用し、末尾を“110”番にしたうえで電話をかけてくるなど、巧妙な手口で次々と被害が発生している。しかもそのターゲットは高齢者ばかりではないようでーー。 「テンプレのような感想ですが、まさか自分が……。という気持ちですよ」 と肩を落とすのは、セクシー女優の竹内有紀さんだ。3月に投票が締め切られたK-1のラウンドガール・オーディションでは最終選考まで残ったことでも話題になった、女子アスリートばりに引き締まった肉体美を誇る人気女優だ。竹内さんは4月末に被害にあったという。 自身のSNSでは《ガチで入ってた額全部持ってかれた》と被害の大きさを明かし、同じような被害者を出さないためにも「広く注意喚起したい」という。 “事件”の発端は4月28日にかかってきた一本の電話だった。 「16時半ごろ、仕事の打ち合わせをひとつ終えて、移動しているときに『警視庁の安全課』を名乗る人物から電話がかかってきたんです。電話番号の末尾は110でした。基本的には知らない番号には出ないんですけど、移動中だったこともあって、とっさに出ちゃったんですよ。 電話の相手は『捜査二課からの要請で、本人様に確認したいことがある。詐欺事件に関与の疑いがあるので、署まで同行願えますか?』と切り出してきました。私は次の予定があったので『今日は行けない』と伝えたのですが、 『心当たりがあるかどうかだけ、身元の確認も踏まえて、少しお話しできますか? ○○さんで間違いないですか?』 と私の本名を言われたあとに、 『詐欺容疑で逮捕者の家宅捜索をしたところ、大量のキャッシュカードが出てきました。その中に、あなた名義のキャッシュカードがあって、そのカードで詐欺に遭われた被害の報告が何件か来ています。このまま身の潔白を証明していただかないと、あなたも共犯ということで、書類送検をすることになります』 と一方的にまくしたててきたんです」 そこまでは半信半疑で話を聞いていた竹内さんだったが、現住所のみならず、学生時代に自身が住んでいた昔の住所まで持ち出され「竹内さん名義でつくられたカードが詐欺に使われている」と言われたことで、徐々に、“警察官”を信じるようになってしまったという。 「何かしら私の情報を入手した犯人がキャッシュカードをつくり、詐欺をしているのではないか、と考えてしまったんです。それこそ身の潔白を証明しないと、取り調べを受けたり、事務所に警察が来たり、家宅捜索をうけたり、めちゃくちゃ面倒なことになる……と頭の中で想像してしまったんです。何よりもまず、周りの人には迷惑をかけたくないという気持ちが強かったので、話を真剣に聞かなきゃって思ってしまったんです。 自分で言うのもアレなんですけど、私自身、学生時代に警察官を目指したこともあるくらい正義感は強いほうなので、『私が捜査に協力することで被害者が救われるなら、進んで協力しよう』という変な正義感まで持ってしまいました」 逆にその場で警察署まで駆けつけていれば詐欺だとわかったかもしれない。だが竹内さんはどうしても都合がつかなかった。 「すると、『第三者のいない場所に移動して、電話をしてください』と指示されました。仕方なくカラオケボックスに入って話を聞くことにしたのですが、警視庁の安全課を名乗る人物から、『捜査二課の林田』と名乗る人物に電話が引き継がれて、そこから1時間半近く電話で話しました。第三者のいない場所を指定されたのは、守秘義務情報の漏洩や、私が詐欺に加担していた場合、仲間との口裏合わせを防ぐ意味があると説明されました」 林田を名乗る人物とのやり取りの中では、教えてもいないのに、なぜか竹内さんのLINEに逮捕状が送られてきた。その書面には、彼女の現住所などが記載されていたという。さらに、竹内さんは林田に聞かれるがままに、口座の残高、持っている銀行口座、さらには女優名まで教えてしまったうえ、最終的に、相手の指定口座に多額のお金を振り込むことになってしまう。 「直後に知人との会食が控えていたこともあるんですけど、とにかく私も焦っていたんですね……。簡単に説明すると、『金融庁からの依頼で、あなたの口座に犯行で使われたお札がないかを調べる必要がある。そのためには、検事の指定する口座にお金を預けてもらう必要がある』というようなことを言われたんです。私は、いくつか口座を持っているのですが、すぐ動かせるお金は、なるべくひとつにまとめて振り込みをしてほしいということだったので、言われるがままにそれぞれの口座からおカネを動かし、まとめて振り込んでしまいました。被害額は数百万円。次のキャリアのために貯めていたお金を根こそぎいかれた感じです……」 竹内さんは知人に相談したことで詐欺だと気が付けたという。 「知人との会食に合流したところ、『何があったの?』と心配されたので、『あんまり言えないんだけど、詐欺容疑みたいのかけられちゃって』と、できる範囲で説明をしていたんです。でも話すうちにどんどん自分自身も冷静になり、疑問が生じてきたんです。だから振り込んだ1時間半後には交番に駆け込みました。でも、もちろん、すべて後の祭りでしたけどね」 もちろん、そもそも本物の警察官がLINEでやり取りをすることはないし、特定の口座に振り込ませようとするはずもない。冷静な目でみればツッコミどころは満載だが……。 「今なら私も本当にそう思います。ただ、相手はいちいち手が込んでいるうえに、口調もものすごくリアリティがあるんですよ。『このあと、予定あったんですよね? すみませんね』とか、たまに私語っぽいコミュニケーションも挟んできたりして、その都度、私の状況に合わせた提案をしてきたり。こちらがATMに行く間も、第三者との接触を防ぐという名目でテレビ電話を繋げさせられたりして、やり取りしてる間は、そこまで違和感も持たなかったんです。 絶対に言えるのは、いわゆる半グレのような子たちが、マニュアルを読みながらできる“闇バイト”レベルの詐欺ではないということです。犯人は行動心理学の心得があるんじゃないかというぐらい手口が巧妙だし、実感として、学歴やトークスキルのかなり高い人たちがやっている犯罪だと思います」 2025年末でセクシー女優からの引退を表明している竹内さんだが、まさかの詐欺被害者となってしまったことで、次のキャリアにも支障をきたす事態となっている。 「お金もがっつり取られたうえに、こっちは女優名も伝えちゃったから、裸まで知られちゃったわけですよ。あいつら絶対、私の作品も調べるじゃないですか。そう考えると、二重の意味でホントに腹立たしいですよね。 ただ、こうなってしまったのは、自分の責任でもあると思っています。後から教えてもらったところによると、『じゃあ、今から警視庁に行って聞いてくるわ』と言うだけで、すぐブチッと切られるらしいんですよ。それはそうですよね。ホントに警察に行けば、詐欺電話ってすぐバレるわけですから。 だから、こうした電話がかかってきたときの対処法としては、シンプルに『じゃ、警視庁行きます』でもいいですし、電話を繋いだまま交番に駆け込む、交番の近くで電話をする、電話を繋いだ状態でリアルタイムで第三者と共有するなど、とにかく一人で解決しようとしないことだと思います。せめて私が事前に、こういうことを知っていれば、今回のようなことにはならなかったわけですから。詐欺かなと思ったら、オフライン上での確認作業は絶対にしたほうがいいです。オンライン上ですべて完結させるのはリスクしかないって、今回でわかりました」 さらに、今回竹内さんが自身の被害をSNSで報告したことで発覚したことがあるという。それは、表沙汰になっていない被害者の多さだ。 「知人だったり、同業の関係者だったり、何人かから『じつは私も被害に遭いました』という報告を受けたんですよ。私もそうですが、被害を公表すると『何やってんだよ。バカだな、お前は』とバカにされます。それはそうなんですけど、どれだけ巧妙な手口でやられたかは、実際に体験した人じゃないと想像ができないわけですよ。だからこそ、“明日は我が身”ではないですけど、みなさんに当事者意識を持ってもらうためにも、恥を忍んで発信すべきかなと思ったんです。 世間的には詐欺の被害は、騙された人が悪いというような風潮がありますけど、普段、まっとうに生きていて、人を疑わずに過ごしている人こそ騙されてしまうと考えれば、本来責められるべきは、そういう犯罪を働いてる人たちのほうじゃないですか。それなのに、被害者が後ろ指をさされて、つらい心情を誰にも打ち明けられないのは絶対におかしいと思うし、だからこそ、私が筆頭になって発信することで、誰かのためになることもあるんじゃないかと思っています。 私自身は、お金を振り込んだあとは1日だけすごく落ち込みましたけど、もう切り替えました。犯人を恨んだところでキリがないし、今は、この経験をどう今後に生かしていくかしか考えていないです」 “まさか自分は……”と思うそこのあなたこそ、お気をつけて!

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