薬物事犯で摘発される10代が増えている。2024年、県警が逮捕・書類送検した容疑者225人のうち10代は59人で、20年からの5年間で最多だった。 県警少年課によると、今年も5月末時点で21人と、前年同期(23人)に近いペースで推移している。いずれも麻薬取締法違反容疑で、うち高校生は6人、中学生は今回の1人。 前回中学生が逮捕されたのは23年で、同じ中3だった。薬物事犯の低年齢化を受け、各学校では「薬物乱用防止教室」を開催するなど、対策に取り組んできた。 またも発覚した事件に、県教育委員会の半嶺満教育長は3日、「誠に遺憾で、児童生徒を取り巻く薬物乱用の現状は極めて深刻だと受け止めている」とのコメントを発表した。 「薬物の魔の手から子どもたちの命を守るためには、県民一丸となった取り組みが必要」と強調。家庭、地域や警察など関係機関と連携し、乱用防止教育を強化すると説明した。県教委によると、今回の事件を受けた具体的な対応は「検討中」という。 (社会部・豊島鉄博、屋宜菜々子)