滋賀県東近江市の湖東記念病院の患者死亡を巡り、殺人罪で服役した後に再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(45)=滋賀県彦根市=が、国と滋賀県に損害賠償を求めた訴訟で、県警は25日、警察の捜査を違法と認定した大津地裁判決を受け入れ、控訴しないことを明らかにした。 17日の大津地裁判決は、警察官による自白の誘導や西山さんに有利な証拠を検察に送致しなかった県警の捜査を違法と判断。県に対して約3100万円の支払いを命じた。 湖東記念病院で2003年5月、入院中の男性患者=当時(72)=が死亡。県警は04年7月、人工呼吸器を外したと自白した当時看護助手の西山さんを殺人容疑で逮捕した。西山さんは公判では否認に転じたが、懲役12年の判決が確定。服役後に再審を申し立て、20年3月に再審大津地裁が無罪とし、検察側が上訴権を放棄したため判決が確定した。西山さんは長期の身体拘束で精神的、経済的な損失を受けたとして、20年12月に訴訟を起こしていた。