デトロイト・ピストンズやロサンゼルス・クリッパーズで活躍したマーカス・モリスが、詐欺容疑で逮捕されていたことが明らかになった。 『New York Post』の報道によると、モリスは7月28日(現地時間27日)、資金不足による小切手の不渡りで空港内で身柄を拘束。『TMZ』はフロリダ当局が公開したマグショット(逮捕後に撮影される人物写真) も掲載している。この一件はフロリダ州ブロワード郡のオンラインに記録され、拘束は他州の未解決事件に関連していることから州外逮捕令状に起因すると見られており、同選手は保釈金設定なしで勾留されているという。 この容疑についての詳細は明らかになっていないが、他州との関連性や保釈なしの逮捕と聞くと、ただならぬ事件のように思える。しかし、双子の兄にあたるマーキーフ・モリスのX(旧Twitter)の投稿は、事態はそこまで深刻ではないことを示唆している。 「言葉遣いが狂ってるよ。たかがあの金額で、空港で家族と一緒にいるところを恥さらしにするなんて、ふざけている。メディアは本気で、世間に兄貴が詐欺をしたと思わせている。(わざわざ空港で逮捕するんじゃなくて)家に来れば済んだだろ。みんながこの件の本当の話を聞いたら……。俺が言えるのは『勉強になった』ということだけだ。兄弟が明日すべてを話すよ。この気味悪い出来事のせいで頭が痛い。何やってもムダだ!」 モリスが法的トラブルに見舞われるのは、今回が初めてのことではない。2012年には、母校カンザス大学の試合を観戦した帰路で知人男性と口論になり、暴行容疑の末、更生プログラムに参加。また、2015年にも重加重暴行で起訴されており、この際は無罪となっている。 2011年のNBAドラフトで全体14位指名を受け、ヒューストン・ロケッツからキャリアをスタートしたモリスは、ジャーニーマンとしてキャリアを築いてきた。35歳のパワーフォワードは、2015年から2年間在籍したデトロイト・ピストンズや、2019ー20シーズンから4シーズンを過ごしたロサンゼルス・クリッパーズで主力として活躍。時には汚れ役を買って出ることも辞さず、キャリア晩年はストレッチフォーとしてアウトサイドシュートにも磨きをかけ、2020ー21シーズンには3ポイント成功率47.3パーセントを記録している。 昨シーズンはニューヨーク・ニックスとトレーニングキャンプ契約を結んだものの、本契約には至らず。モリスのベテランならでは“味”はロスターの底上げにもまだまだ貢献するはずだが、この事件がもつれれば来シーズンの契約にも影響を及ぼすだろう。 文=Meiji