香港「リンゴ日報」国安法裁判、最終弁論開始 長期化で健康不安も

香港の民主派新聞「蘋果(ひんか)(りんご)日報」(2021年に廃刊)の創業者、黎智英(れい・ちえい)(ジミー・ライ)氏(77)が香港国家安全維持法(国安法)違反の罪に問われた裁判の最終弁論が18日、香港の裁判所で始まった。中国共産党批判で知られたメディアを率いた黎氏は国際的にも知名度が高く、公判には大きな注目が集まっている。 黎氏は海外勢力と結託し国家の安全を脅かしたり、メディアを通じて中国や香港政府への憎悪をあおったりしたとして起訴された。最高刑は終身刑。黎氏は起訴内容を否認している。 英BBC(電子版)などによると、検察は18日の公判で、黎氏が20年の国安法施行後も米国などに香港当局者への制裁を求め続けたと主張した。 黎氏は20年8月に同法違反容疑で逮捕され、一時的な保釈をはさんで約4年半にわたって拘束されている。裁判の長期化に伴い、家族や支援者からは健康状態を懸念する声が上がる。裁判所は当初15日に最終弁論を始める予定だったが、黎氏が最近倒れそうになったことがあるとの弁護側の申し立てを受けて実質的な審理が延期。黎氏は法廷で心電図モニターを装着することが認められた。 トランプ米大統領は14日の米テレビのインタビューで、黎氏の公判について米中貿易協議の中で取り上げたと明らかにし、手助けするため「できることは何でもする」と述べている。【台北・林哲平】

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