福島・受験生死亡事故 罪名変更に「当然」の声 「社会に警鐘を」

福島県郡山市のJR郡山駅前で1月に酒気帯び運転の車に予備校生の女性(19)がはねられて死亡した事故で、福島地検郡山支部は12日、自動車運転処罰法違反の罪について危険運転致死傷として、同市の会社員、池田怜平(りょうへい)容疑者(34)を起訴した。事故直後に池田被告が現行犯逮捕された過失運転致傷容疑から切り替えられたが、悪質運転の死亡事故で苦しめられてきた被害者遺族は切り替えは「当然だ」として厳罰を求めた。 1999年に東名高速道路で飲酒運転の大型トラックに追突されて2児を失い、危険運転致死傷罪の創設に尽力した井上郁美さん(56)は「前夜に酒を飲んで朝なら運転しても大丈夫と本人は思ったのかもしれないが、明らかに酒の影響で判断が狂っていたのではないか」と指摘した。 井上さんは今月1日、夫・保孝さん(74)とともに事故現場を訪れた。郡山駅前の目抜き通り。「あそこで何回も信号無視というのは常軌を逸している。もっと犠牲者が出ていてもおかしくなかった」と憤る。公判に向けては「前夜にどれだけ酒を飲んだのかなど行動を明らかにして、社会に警鐘を鳴らしてほしい」と願った。【錦織祐一】

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