警視庁が先ほど、東京女子医科大学の元理事長・岩本絹子容疑者(78)を背任の疑いで逮捕したことが、捜査関係者への取材でわかりました。 岩本容疑者は2018年7月~2020年2月、東京・新宿区の河田町キャンパスの新校舎2棟の建設工事を巡り、一級建築士の男性(68)がコンサルティング業務を行っていないにもかかわらず、報酬名目で現金およそ1億2000万円を支払い、大学側に損害を与えた疑いがもたれています。 東京女子医大を巡っては、警視庁が去年3月、東京女子医大の同窓会組織「至誠会」の元職員が元事務長と共謀し、勤務実態がないのにおよそ2千万円の給与を受け取っていた疑いがあるとして、岩本容疑者の自宅や東京女子医大など関係先十数か所に家宅捜索に入っていました。 関係者によりますと、勤務実態のない元職員は、岩本容疑者が院長を務めていた産婦人科の元職員でもあり、岩本容疑者の側近と呼ばれていた女性です。元事務長の男性も至誠会で職員の給与を管理していて、岩本容疑者の側近だということです。 東京女子医大を巡っては、一部の卒業生らがおととし3月、「至誠会」が運営する病院から不透明な支出があったとして、当時の理事長だった岩本容疑者を背任の疑いで警視庁に刑事告発していました。さらに、推薦入試での寄付金の受け取りなどの問題も指摘されています。 こうした問題を受け、大学は第三者委員会を設置し、去年8月2日に調査報告書を公表。報告書では岩本容疑者の「1強体制」を指摘したうえで、「抜本的な改善・改革が必要」と厳しく批判していました。 その後、去年8月7日に大学の臨時理事会が開かれ、岩本容疑者は解任されていました。