「逮捕術」とは何かご存知でしょうか。 言葉の通り、犯人を取り押さえるための警察独自の武術なのですが、その技術を競う全国大会で富山県警が日本一になりました。 強さの秘訣とは…。 抵抗する犯人を安全に取り押さえるための「逮捕術」。 柔道や剣道などを組み合わせた独自の武術で、警察官には欠かせない技術です。 その逮捕術を競う全国大会が去年11月に開かれ、19の県警で争う「第3部」の団体で富山県警チームが優勝しました。 優勝は2010年以来14年ぶり5度目です。 逮捕術の大会にはある特徴があります。 徒手と呼ばれる手に何も持たない人同士の対戦のほかに…、徒手と短い刀を持った人の対戦、警棒と短い刀を持った人の対戦など、必ずしも装備が平等ではありません。 「やあー!」 徒手同士で戦う種目で出場した県警の石野成美さん。 7人の男女による団体戦の先鋒、一番手を務めました。 ※富山南警察署 石野成美さん 「毎回、先鋒なのですごい緊張する。後ろのメンバーがみんな強いので、私が負けなければ勝てると監督に言われてきた」 石野さんは、普段、富山南警察署の富南交番に勤務しています。 山岳警備隊を目指し、茨城から移住した石野さん。 ロッククライミングで培ったパワーをかわれ、全国大会に出場する特別訓練員に選ばれました。 訓練員は大会までの半年間、すべての勤務時間を稽古にあてることができます。 ※富山南警察署 石野成美さん 「(逮捕術は)そもそも知らなかった。警察学校に入ってからだった。こんな武術あるんだと思った」 「暴れている人の対応で逮捕術が出てしまう。すぐに反射で出てきて役に立っている」 同じく富山南警察署に所属する橋本美咲さんも優勝メンバーの1人です。 警棒同士の試合に出場しましたが、小さいときから習っていたのは柔道でした。 ※富山南警察署 橋本美咲さん 「もともと柔道をしていたので、逮捕術には投げもあるので投げを活かすために逮捕術に入った」 日本一に輝いてから3カ月後の稽古。 この日は優勝メンバー同士で模擬試合を行いました。 「はじめ!」 徒手徒手の石野さん、後輩との試合です。 相手の胴や肩などに有効打を決め、2本先取した方が勝者となりますが… 「ピピー!」 2分間で決着がつかず、引き分けとなりました。 ※石野成美さん 「私は守り守りで、2分間全部の時間を使って、守りだけ考えて動いている」 この日本一のチームをまとめるのが長原竜太監督です。長原監督自身もかつて逮捕術の特別訓練員で、14年前の優勝メンバーでした。 ※長原竜太監督(県警 警務部教養課) 「富山県は絶対優勝できるというのは毎回、選手に言っているので、嬉しかったし、来年度も優勝目指して頑張りたい」 富山県警、史上初の大会連覇を目指し、挑戦が続きます。