スティーヴン・マッキントッシュ・エンターテインメント記者「ノーマル・ピープル」などの作品で知られるアイルランド人作家サリー・ルーニー氏は14日、自身の著書が今後、イギリスの書店に供給されなくなると発表した。イギリスの親パレスチナ団体「パレスチナ・アクション」を支持しているためだと説明している。「パレスチナ・アクション」は昨年7月、英内務省によって、テロ対策法に基づく禁止団体に指定された。ルーニー氏は直後、印税収入を使って同団体を支援し続ける意向を示していた。ルーニー氏は今回、BBCニュースへの声明で、自著を今後も出版していくことが「重大な犯罪行為」に該当する可能性があるため、イギリスの小売店への供給を停止することで、出版社であるフェイバーと合意したと説明。「私は自分の信念と意図について、人々に正直であろうとあらゆる努力を尽くしてきた。そして、その結果を受け入れる覚悟もできている」とした。ルーニー氏の作品の電子書籍版は既に、イギリスで販売が停止されている。しかし多くの書店に、紙の本が在庫として残っている状態だ。英書籍販売大手ウォーターストーンズはBBCに対し、フェイバーから現在販売中の在庫を店頭に並べ続けることに制限はないとの説明があったと認めた。調査会社ニールセンIQブックデータによると、ルーニー氏の著書は世界中で600万部以上売れており、そのうち230万部がイギリスで販売された。2018年に出版された「ノーマル・ピープル」は、2年後にテレビシリーズがつくられヒットした。主演のポール・メスカル氏とデイジー・エドガー=ジョーンズ氏が本格的にキャリアをスタートさせるきっかけとなった。このほか、「インテルメッツォ」、「カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ」、「美しい世界はどこに」などの作品がある。フェイバーはBBCニュースに対し、「イギリスの現行法により、フェイバーはサリー・ルーニー氏に、著作に対するイギリスでの収益を支払うことができない状況になっている」と述べた。「作家の作品を販売しながら、その収益を作家に還元できないのは、出版社にとって到底容認できない状況だ」「そのため、サリーとの完全な合意に基づき、当社は今後、いかなる形式であっても、彼女の作品をイギリスで提供することはできなくなるという決定を下した」そのうでフェイバーは「我々は彼女の素晴らしい作品群の出版社であることを誇りに思っており、今後も他の地域で販売を続けていく」とした。イギリス政府は2025年、「長年にわたり器物損壊を繰り返してきた」として、「パレスチナ・アクション」をテロ組織に指定した。同団体の活動には、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区で行っている軍事行動に関与する兵器企業を標的にすることも含まれている。ルーニー氏は14日の声明で、「2025年7月、直接行動抗議団体であるパレスチナ・アクションは、イギリスでテロ組織として非合法化された」と述べた。「その翌月、私はパレスチナ・アクションへの支援を継続する意向を表明する意見記事を書いた。ここアイルランド共和国では、パレスチナ・アクションは非合法団体でも、その他の禁止団体でもない」ルーニー氏は昨年8月、アイルランド紙アイリッシュ・タイムズに掲載された記事の中で、イギリスでは違法行為となったにもかかわらず、自身の収益を同団体への支援に使い続けると表明した。一方で、逮捕を懸念し、イギリスでの受賞式への出席を取りやめた。ルーニー氏の声明は続けて、「その結果、イギリスで私の作品を出版する契約を履行することが、重大な犯罪行為となる可能性がある」と説明。「協議と検討を重ねた結果、そして私の全面的な同意を得て、出版社であるフェイバーは、イギリス国内で私の作品を販売することができなくなったと判断した」と述べた。パレスチナ・アクションの共同創設者フダ・アモリ氏は、ルーニー氏は「パレスチナ・アクションの活動禁止計画が発表された瞬間から、勇敢かつ原則に基づいた立場を取った」と述べた。また、ルーニー氏の作品が販売されなくなることは、「パレスチナ・アクションの禁止によって引き起こされた、言論の自由への攻撃激化における新たな悪状況だ」と語った。イギリスではこれまでに、パレスチナ・アクションを支援した容疑で3700人以上が逮捕されたとみられている。そのうち約2500人が起訴されたが、禁止措置に対する異議申し立てが継続中で、11月にも英最高裁判所で審理されるため、裁判にかけられた者はいない。(英語記事 Sally Rooney books withdrawn in UK over Palestine Action support)